2009年6月24日 (水)

いっきちゃん

4月の半ば、さくらとおなじロマリンダの病院に渡航し、移植後入院を続けていた山保一己(さんぽいっき)ちゃんが昨日亡くなりました。

渡航後容体が悪化するなか、小児用人工心臓エクモを着け、5月22日に心臓移植を受けたあとも、容体不安定が続いていました。移植にいたるまでの長い渡航や待機で、いっきちゃんの身体はすでに厳しい状態に至っていました。いっきちゃんにとっても、見守り続けるご両親にとっても、つらいつらい日々でした。

そして一昨日、追加募金が始まった矢先のことでした。

突然の訃報に私たちは言葉を失いました。

いっきちゃん、本当にほんとうにがんばったね。

ちっちゃな身体で信じられないくらいたくさんの試練を受け止めて旅立ってしまったいっきちゃん。

参議院に送られた移植法の審議について、「別に急いでかえなくては死んでしまう人がいるわけではない」などといった議員がいました。

一体何人の命が失われれば、移植が必要な人がいる、移植でなければ助からない命がたくさんいるということに気がついていただけるのでしょうか?

日本では年間1万人以上の人々が臓器移植を必要としています。

どうか一日も早い審議と可決を、と願ってやみません。

そして、ここまでいっきちゃんを応援してくださった本当にたくさんの皆様にこころからお礼申し上げるとともに、いっきちゃんとドナーのお子様のご冥福を心からお祈り申し上げます。

2009年6月21日 (日)

衆議院可決

6月18日、臓器移植法改正A案が衆議院で可決され、参議院へ送られました。

2年半前さくらが渡航移植を受けたのは、現行法が15歳未満の子どもの臓器提供を認めていないためでした。

そしてアメリカで尊いドナーとなられたお子さんとそのご家族との言葉で尽くせない貴重なご縁をいただきました。

さくらが大きくなった頃には、「さくらが子どもの頃には海外に行くしかいなかったんだよ」と、昔語りが出来るような時代になっているでしょうか?早くそうなればいいのですが、法律が改正されたとしても、医療体制や人材育成など、基盤整備はまだまだこれからです。

そしてまだ参議院での議論の行方から目が離せません。解散総選挙となれば、廃案になってしまいます。

移植でしか助かる道はないといわれたさくらのような子どもたちに、今まで日本では閉ざされていた移植医療の道が開かれることを心から祈っています。

先週月曜日はまた、6月の定期検診日でした。

先月の検査で血中濃度が少し下がっていたため、免疫抑制剤が増量になっています。今回は帰国後最高値ということで、血中濃度は問題ありませんでしたが、薬が増えたことによる腎機能への影響が少し気になります。

本人は至って元気で、学校では水泳も始まりました。まだまだ気温が十分上がっていないため、水にはほとんど入っていないようですが。

運動会

6月13日土曜日は、さくらの通う小学校の運動会でした。

この日まで毎日さくらは帰宅後も楽しそうにダンスや応援の練習をしていました。

当日朝も途中で雨が降り出すかも知れないと心配していましたが、予想に反してお昼前には熱い太陽が照りつける、運動会日和となりました。

さくらたち1年生が参加した演技と競技は「フリフリダック」というかわいらしいダンスと、40メートル走、そして紅白に分かれての玉入れでした。

日差しが強くなって、ほっぺを赤くしながら、どれも本当に楽しそうに一生懸命やっていました。

かけっこの時には写真を撮ろうとゴール前で見ていましたが、スタートからゴールまで、ずっとニコニコ顔のさくら。となりを走るお友達もやはりニコニコ顔です。おかげで写真はニコニコ顔が並んだとてもすてきなものがとれました。

1年生の保護者にとって、運動会は、上級生の演技を見て、「来年はこんなこともできるようになるのかしら」、「5年後にはこんなことが!」と、子どもの6年間の成長を一度に見られるようなイベントです。そしてここまで子どもたちを指導するため、大変なご苦労をなさった先生方たちが、実に生き生き楽しそうに駆け回ってくださる姿にも、大変なお仕事だなぁと敬服いたします。

たくさんのお友達と先生方、そして地域の皆様方に支えられて、さくらは元気に小学校生活を送っています。

みなさま、ほんとうに有り難うございます。

2009年6月 2日 (火)

7才の誕生日

5月30日はさくらの7回目の誕生日でした。

ちょうど土曜日だったので、さくらのお友達が集まってお祝いしてくれることになりました。

誕生日の朝目覚めると開口一番に「7才になってもおなじだね」。

昨年もそうでしたが、一つ年をとると何かがかわるような気がするのでしょうか。

休みにもかかわらずわくわくで早起きしたさくらは、朝から「あと5時間でみんな来るよ」、「あと3時間だよ」、とカウントダウンです。

ひとりお友達が到着するたびに「○○ちゃ~ん!!」と、大喜び。

いつもはおもちゃやケーキの(どの部分が食べたいかで)取り合いがあったりするのですが、誕生日のこの日ばかりはみんなが「さくらちゃんからね~」「さくらちゃんが決めていいよ~」と、特例を認められ、和やかに、にぎやかに遊んでいました。

さくらが生まれて初めての心臓カテーテル検査を受け、確定診断が下ったのが、3年前の4才の誕生日でした。やはりこの時期は、病室にケーキを持ち込んで何とか笑顔で祝った、あの日を思い起こします。

そして移植からまもなく2年5ヶ月。

あっという間のような、ずいぶん前のことのような、不思議な時間でした。

この間、移植を目指しながら、つなぎ止めることができなかった、尊い命がいくつもいくつも失われていきました。

一日も早く移植でしか助からない命が希望を持って治療を受けられる国になりますよう、心から祈る7回目の誕生日でした。

2009年5月19日 (火)

定期検診

昨日は5月の定期検診の日でした。

検診のなかで大切なのが服用している免疫抑制剤の血中濃度の測定と調整ですが、この日は病院の測定器械の調子が悪く、測定値がでないまま診察を受けて帰宅しました。

このところ、タクロリムスの血中濃度は安定しているので、主治医たちも特段心配している様子はありませんでしたが、血中濃度を聞かないまま帰宅するのははじめてのことです。結局結果は後日メールで、ということになりました。

心機能などの検査数値は問題なく経過していますが、週末から少し咳が気になっていたので、薬を頂いて帰りました。

さくらも今では粉薬でもひとりで上手に飲めるので、今日は給食の後にのむ分を持参して学校へ行きました。

さくらの薬の飲みっぷりがなかなかなせいか、保育園の時からさくらが薬を飲むのをみんなが見に来るのだそうです。

そういえば保育園の時、さくらと同じように保育園にお薬を持ってきて飲みたい!と言っていたお友達がいたようで、実際風邪をひいてお薬を持って保育園へくることになったとき、「さくらちゃんと一緒だよ」と、大喜びでみせてくれました。

そういえば最近の小児の処方薬はポケモンの絵のついた小瓶に入っていたり、イチゴ味やピーチの味がしたりするので、これも喜んで飲んでくれる理由のようです。

どちらにしても、薬を飲ませる手間が減って、親としてはうれしい限りです。

生命・きずなの会

臓器移植法の改正への動きが活発化するなかで、移植医療を考える様々な機会が設けられています。

私たち家族は、先週末は土曜日にドナーファミリーの記念祭「生命・きずなの会」に参加してきました。

移植医療はドナーとそのご家族の臓器提供という尊いご決断があってこそ成り立つ医療です。

ドナーファミリーの行為を讃え、その貴重なご決断と、その一方で決して消えない大切な家族を亡くされたという悲しみを忘れることなく、敬意を表すことのできる社会でなくては、移植医療は成り立ちません。

「生命・きずなの日」はドナーファミリーのご決断に深い敬意と感謝の思いを馳せる大事な日。まだ難しいことは分からないなりに、さくらも毎年一緒に参加させていただきます。今年はこの会にハワイからドナーファミリーを迎え、貴重なお話をうかがいました。

その翌日、17日の日曜は、東京で市民公開講座がひらかれました。

人工心臓をつけながら、提供者の数が世界最下位というこの国にあっても、絶望の中で希望を失わず闘病を続けておられる移植待機患者や、移植を待ちながらなくなられた方のご遺族など、多くの関係者のお話を聞くことができました。

臓器移植法の改正は、こうした移植を受けたいという患者の意志ばかりではなく、提供をしたくないという人、提供をしたいという意志にも、道を開くものでなくてはならないと思います。そしてそれは現在提出されている改正法案ではA案でしかありません。

今週末5月24日(日)にも、三井ガーデンホテル千葉で市民公開講座がひらかれます。

http://www.jtr.ne.jp/katsudou/2009/090524.html?.gif

どなたでも無料で参加できます。

是非お運びください。

2009年4月10日 (金)

記者会見で

昨日の移植法改正の請願署名提出の際、記者会見でお子さんを亡くされたご両親がおっしゃっていた言葉の一つ一つが重い意味を持つものでした。

短い報道などでは触れられていませんが、この記者会見のなかで、聡太郎ちゃんが亡くなるとわかったとき、ご両親が聡太郎ちゃんをドナーに、と願われた気持ちを語っておられました。

聡太郎ちゃんの場合、亡くなる前に容体が急変し、必死の救命治療が施されたにもかかわらず、心停止を迎え、1時間を超える蘇生の努力が続けられたと言います。

そのどの段階で思われたのかは分かりません。しかし、何とかここにとどまってほしいという願いの中で、聡太郎ちゃんのご両親が最後にかけた願いが、聡太郎ちゃんを臓器提供者として「生かす」という希望でした。

臓器提供を待っていた聡太郎ちゃんですが、ご両親のそうちゃんが生き続けてほしいという願いの中で、最後の希望を託したのは、聡太郎ちゃんからの臓器提供でした。

聡太郎ちゃんの角膜が提供され、「どこかの地で同じ空を見つめることが出来れば」と願われたそうです。角膜だけでも、心臓の弁だけでもどこかで誰かと生き続けてほしいと。

どんな子でもいい、我が子に生き続けてほしい、という親なら誰でも抱く必死の願い。この願いの先に、「ドナーとなる希望」という道がある。

1才になってまだ間もなかった高橋さくらちゃんが、移植後容体が急変してニューヨークの病院でなくなったとき、さくちゃんのお父様も思われたそうです。

「早くこの子をドナーにしなくては、この子のすべてが死んでしまう。」

子どもの臓器提供に関して疑問を持つ声も多い、と言われます。私自身、子どもの臓器提供は、ときに提供者にとってそれが最後の希望を託す道になるということを、お子さんを亡くされたご両親自身から伺ったのははじめてでした。

さくらが移植を受けたアメリカで、臓器移植ネットワークの事務所を訪れたとき、脳死になった方のご遺族が「最後の希望の道」として臓器提供を申し出てくださると聞きました。

子どもの移植医療ができない国では、子どもの臓器提供という希望もかないません。子どもの命という希望を二重に断ち切っていることを、この法律を作った方たちはどう考えられているのか。

どうか国会での議論をお願いします。

臓器提供の意志を認めると言うことは、もちろん提供をしないという意志も認められるということです。どの意志も尊重されることを願ってやみません。

2009年4月 9日 (木)

署名提出

3月24日の日記でお願い申し上げた、臓器移植法改正を求める請願署名、たくさんの方にご協力を頂き、誠にありがとうございました。

わずか数週間という限られた期間でありながら、3万8千人近くの方のご署名を頂きました。署名用紙を積み上げると1メートル、あるいはそれ以上にもなるでしょうか。

昨日衆議院議員会館で河野太郎議員に提出し、発起人となってくださった中澤聡太郎ちゃんのご両親、そして移植がかなわず亡くなったお子さんの親御さんたちが中心となって記者会見を開きました。

日本に生まれた子供がなぜ日本で救えないのか。

私たちの訴えの中心になってくださったのが、同じように移植を目指しながらお子様を亡くされたご両親たちでした。

悲しみと悔しさで言葉をつまらせながらも一生懸命訴えてくださった中澤聡太郎ちゃんのご両親、今年9ヶ月で亡くなった岡田心春ちゃんのお母様、そして渡航を目前にして亡くなった竹内彩ちゃんのお母様。また渡米後亡くなった高橋さくらちゃんのお母様も、帰国後間もないながら集ってくださいました。

深い悲しみと苦しみの中で、勇気を振り絞って子どもたちのために、と、こうして私たちを率いてくださったみなさんに、本当に心から感謝を申し上げます。そしてご賛同、ご署名を頂いたみなさまに心から感謝申し上げます。

お母さんお父さんをこんなに悲しませちゃったけど、こんなにたくさんの人の心を動かしてくれる聡太郎ちゃん、心春ちゃん、彩ちゃん、さくちゃん。みんなに会えて本当によかった。みんなの笑顔、忘れないよ。

そして全国にまだまだいるであろう、「移植」という希望を抱けぬまま亡くなった多くの子どもたち・・・。

どうか1日も早く、「移植しか道が残されていない」と言われた子どもたちにも、他の国に生まれた子供たちと同じように、生きる希望が与えられる国になりますように。

2009年4月 8日 (水)

図工が楽しみ!

頂いた教科書の中で、さくらが夢中になって見入っているのが図工の教科書です。

絵を描いたり、工作したりの大好きなさくら。教科書の中にあるいろいろなものをみては、これもあれもつくりたい、どうやってつくるのかな、これとあれがいるけれどおうちにある?と、構想がふくらんでいるようです。

とても楽しみな図工のクラス。今のところさくらの野望は「ずこうしつにはいってみたいんだ」ということです。でも2年生か3年生になるまでここには入れないとか・・・。楽しみで仕方ありません。

学校1日目は、先生のお話や学校の中の探検で、それはそれで楽しいものの、えんぴつを持って教科書を開いて・・・というのを少し楽しみにしていたさくらは、授業がなかなか始まらない様子に少し不満気。でも「はやくえほんでべんきょうしたい!」と言うところがまだまだおかしな小学生です。

1年生になりました

4月6日はさくらの小学校入学式でした。

満開の桜の下、青空がひろがり、気温も上がって最高の入学式でした。

さくらの小学校では新一年生は2クラス。自分で選んだピンクのランドセルをしょって、文字通りぴかぴかの一年生となりました。

元気にこの日を迎えられたことを、これまで見守ってきてくださったたくさんのみなさまに、心から感謝申し上げます。

入学式の帰り、さくらが今までお世話になった3つの保育園のうち、学校からの帰り道にあるふたつの園に立ち寄って、先生方にランドセル姿をお見せしてお礼を申し上げ、家に帰りました。

家に着いたときはもう夕方。教科書やノート、道具箱などたくさんの学用品を頂いて持ち帰り、一つ一つに名前を書いていきました。

1ねん1くみ うえださくら。1ねん1くみ うえださくら・・・。明日も一日元気で過ごせますように。このノートも、そのえんぴつ一本も、さくらを一日見守ってくれる。一つ一つがさくらとともに一日を過ごすお守りのようにも思えます。

どこかに行ってしまわないように。

たくさんのお友達の持ち物と混ざってしまっても、「さくらちゃん、ここだよ!」と知らせてくれるように。

そして毎日さくらを元気で連れて帰ってきてくるように。たくさんの願いを込めて名前を書きました。

これできっと大丈夫。元気に通って、たくさんお友達作ってね。

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